賃貸でマットレスや布団を敷きっぱなしにしていて、裏が黒くなっていたら、それは退去時の請求対象になります。
しかも金額は「クリーニング代数千円」では終わりません。畳やフローリングまで達していれば数万円から十数万円。壁や押し入れまで広がっていれば、数十万円の精算書が出ることもあります。
不動産管理会社で15年以上、退去立会いと敷金精算をやってきた立場から書きます。管理会社が立会いでどこを見ているか、いくら請求されるか、そしてどこまでが自分で防げるのか。最後に、防ぐための道具の話をします。
先に結論だけ言うと、退去時に一番多く請求されるのは「寝具の下の床」です。ここだけは、シート1枚敷いておけば防げます。送料無料で今日から対策できるので、心当たりがある人は先に確認しておいてください。
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退去立会いで、管理会社が必ず見る4か所
立会いの時間は、1Kなら15分から20分です。その短い時間で、担当者が必ず確認する場所があります。
1つ目、寝具を置いていた場所の床。
フローリングなら黒ずみと変色、畳なら裏返して確認します。マットレスや布団の輪郭がそのまま残っていることが多く、一目で分かります。
2つ目、窓際の壁の下部と、その裏側になる家具の背面。
結露が落ちてたまる場所です。
3つ目、押し入れ・クローゼットの下段と壁面。
ここは扉を閉めっぱなしにするため、空気が動きません。担当者は必ず扉を開けて、奥の壁と床を見ます。
4つ目、下駄箱の内部とエアコン内部。
このうち、あなたが自分で防げるのは1つ目と3つ目です。2つ目と4つ目は建物側の要因が大きく、後で書きますが、そもそも借主の責任になりにくい部分です。
実際、いくら請求されるのか
カビの請求は、範囲によって桁が変わります。
| 範囲 | 請求されやすい金額帯 |
|---|---|
| 床の一部の黒ずみ(部分清掃・部分補修) | 数千円〜数万円 |
| 畳の表替え | 1畳あたり数千円〜1万円台 |
| フローリング張り替え(6畳) | 十数万円 |
| 壁紙・押し入れ・設備まで拡大(カビ除去+消臭+特殊清掃) | 30万円前後 |
ここで知っておいてほしいのは、請求されても、その全額が通るとは限らないということです。
実際の裁判例を見ると、借主の責任が認められたケースでも、負担が認められたのは修繕費の2割前後です。横浜地方裁判所 平成8年3月25日判決は、新築マンションに5年弱住んで複数の部屋にカビが出た事案で、「同一建物内の他室にはこの程度のカビは発生していなかった」として借主の責任を認めましたが、それでも負担は約2割でした。
逆に、結露が構造上の問題だと認定されて、敷金が全額返還された判例もあります(枚方簡易裁判所 平成17年10月14日判決)。
つまり、満額請求されたら、そのまま払う必要はありません。
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借主負担になるカビ・ならないカビの分かれ目
判例と実務を通して見ると、線引きははっきりしています。
借主負担になりやすいカビ
- 寝具や家具を長期間動かさず、その下だけに発生している
- 同じ建物の他の部屋では発生していない
- 気づいていたのに管理会社に連絡せず、放置して広がった
貸主負担になりやすいカビ
- 結露が原因で、建物の断熱やサッシの性能に起因する
- 雨漏り・漏水など、建物側の不具合が原因
- 入居者が気づいて連絡したのに、管理会社が動かなかった
一番大きな分かれ目は、最後の一行です。
民法615条は借主に通知義務を定めていますが、これは裏を返せば、連絡した時点で責任のボールは管理会社側に移るということです。共用排水管の漏水を管理業者が4か月以上放置してカビが蔓延した事案では、賃料の3割減額に加えて340万円を超える損害賠償が命じられています(東京地方裁判所 平成17年8月30日判決)。
だから、カビを見つけたら、まず写真を撮って管理会社に連絡してください。これが最強の防御です。
カビが出る3つの発生源
現場で見てきた限り、賃貸のカビは、ほぼこの3か所から始まります。
① 敷きっぱなしの寝具の下
人は一晩でコップ1杯分の汗をかきます。その水分はマットレスや布団を通って下に抜け、床との間にたまります。フローリングに直接敷いている場合、逃げ場がないので、そこが結露と同じ状態になる。これが一番多いパターンです。
② 壁にぴったり付けた家具の背面
壁と家具の間に隙間がないと、空気が動かず、壁の表面温度も下がります。特に外壁側(北側の壁、窓のある壁)は要注意です。
③ 押し入れ・クローゼットの下段
閉めっぱなしで換気ゼロ。そこに湿気を含んだ布団を入れると、確実にやられます。
除湿シートで防げること・防げないこと
ここは正直に書きます。
防げるのは、①の寝具の下だけです。
②の壁の結露カビと、③の押し入れの構造的な湿気は、除湿シート1枚では解決しません。壁は家具を5cm離す、押し入れはすのこを敷いて扉を定期的に開ける。これが必要です。
ただ、①は退去時の請求で一番多いパターンです。そして「敷きっぱなしにしていた」という事実は、写真に残ると言い逃れができません。「同じ建物の他の部屋では出ていない」「寝具の輪郭どおりに変色している」と言われると、構造起因の主張が通りにくくなります。
だから、①を潰しておく価値は高い。ここだけは、シート1枚で確実に変わります。
寝具の下だけに絞って対策するなら、吸湿量とセンサー付きで選ぶのが確実です。仕様は【モットン除湿シート】公式サイトで確認できます。![]()
モットン除湿シートの中身
高反発マットレスで知られるモットンジャパンが出している除湿シートです。まず販売元の情報から確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | モットンジャパン(Motton Japan) |
| 設立 | 公式サイトに記載なし |
| 所在地 | 〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神3-8-13 Great leapビル303 |
| 法人番号 | 公式サイトに記載なし |
| 主力商品 | 高反発マットレス「モットン」ほか寝具 |
公式サイトで確認できた仕様は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 素材 | ポリエステル70%、ベルオアシス®(高吸湿繊維)30% |
| サイズ | シングル 90×180cm/セミダブル 110×180cm/ダブル 130×180cm/クイーン 150×180cm |
| 重量 | シングル 約1.1kg/セミダブル 約1.4kg/ダブル 約1.6kg/クイーン 約2.0kg |
| センサー | 吸湿するとブルーから白に変色。天日干し・ふとん乾燥機で乾かすとブルーに戻る |
| お手入れ | ドライクリーニング推奨(水洗い不可) |
| 送料 | 全国送料無料 |
ポイントは素材です。一般的な低価格帯の除湿シートはシリカゲル系ですが、これはベルオアシスという吸湿性の高い繊維を使っています。繰り返し干して使うことを前提にした作りです。
そしてセンサー。除湿シートで一番ありがちな失敗は「敷いたまま放置して、シート自体がカビる」ことです。色が変わるので、干すタイミングが目で分かる。地味ですが、これが一番効きます。
デメリットも書きます。
- 水洗いできません。ドライクリーニング推奨で、水に濡らすとセンサーが働かなくなります
- モットンのマットレスにある90日間の返品保証は、除湿シートには適用されません。不良品の場合に7日以内の交換対応があるだけです
- 壁や押し入れのカビには効きません。防げるのは寝具の下だけです
価格はサイズによって異なります。最新の価格は公式ページで確認してください。
退去時に一番揉めるのは寝具の下です。敷くだけで対策が終わるので、心当たりがあるうちに見ておいてください。
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他社の除湿シートとの違い
除湿シートは、吸湿する素材で3タイプに分かれます。値段だけで選ぶと失敗するので、方式の違いを押さえてください。
| 比較軸 | モットン除湿シート (高吸湿繊維タイプ) |
シリカゲルタイプ (低価格帯に多い) |
備長炭・活性炭タイプ |
|---|---|---|---|
| 吸湿素材 | ベルオアシス®30% | シリカゲル(B型など) | 備長炭・活性炭 |
| 干して繰り返し使えるか | 可 | 可(製品により回数の目安あり) | 可 |
| 干すタイミングの表示 | センサーで色が変わる | 製品により有無 | ほぼなし |
| 水洗い | 不可(ドライ推奨) | 製品による | 製品による |
| 消臭 | 公式に記載なし | 製品による | 得意 |
| 向いている人 | 干すのを忘れがちで、長く使いたい人 | とにかく安く始めたい人 | 湿気よりニオイが気になる人 |
賃貸で退去費用対策として使うなら、重要なのは「干すタイミングが分かるか」です。シート自体がカビたら意味がないので、色で分かるタイプが結局は手間がかかりません。
それでも請求されたときの対処
退去時にカビで請求されたら、順番を守ってください。
やってはいけないのは、金額の話から入ることです。「高すぎる」と言った瞬間、値切り交渉になり、相手のペースになります。
正しい順番はこうです。
- 見積書の内訳を出してもらう(作業項目・数量・単価)
- 作業前後の写真を出してもらう
- 自分がいつ気づいて、いつ連絡したかを記録で示す
- 判例の水準(借主負担は2割前後)を前提に話す
連絡していた記録があれば、責任は動かなかった側に移ります。連絡していなくても、満額を払う理由にはなりません。
まとめ
- 退去立会いで管理会社が見るのは、寝具の下・窓際の壁・押し入れ・設備の4か所
- カビの請求は数千円から数十万円まで幅がある。ただし判例上、借主負担は2割前後
- 一番多いのは「敷きっぱなしの寝具の下」。ここは除湿シートで潰せる
- 壁と押し入れはシートでは無理。家具を5cm離す、扉を開ける
- カビを見つけたら、まず写真を撮って管理会社に連絡する。これが最強の防御
寝具の下の1か所を潰しておくだけで、退去時に一番揉めるパターンを避けられます。敷くだけで終わる対策なので、退去が近い人ほど早めに手を打っておいてください。
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退去時のカビ請求30万円は争われたら勝てるか|管理会社が原因論で負ける理由と民法615条の使い方
※ 不動産管理会社15年以上の現場目線で解説。(lease-guide.com)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別事情により対応は異なります。法的判断や具体的な対応は、必要に応じて弁護士・専門家・関係機関へご確認ください。商品仕様・価格は変更される場合があるため、購入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。



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